くまもと未来奨学会とは
県内企業を中心とした18社は共同で、熊本県の奨学金制度のさらなる充実を図るため、県内の児童養護施設から県内の大学・専門学校等に進学する学生を支援する、「くまもと未来奨学会」を2024年8月18日(日)に設立しました。
児童養護施設では18歳になると自立することが求められ、進学を希望する子どもたちは安定した収入の見込みが立たない中、自立に必要な資金も十分とは言えず、進学後も経済的に困窮する実態が見受けられます。そこで自立に必要な資金の一部をくまもと未来奨学会より奨学一時金として一括給付することにより、進学者を経済面で支援するとともに、在施設者の進学意欲の向上に寄与するものです。
2024年11月現在で、会員企業は39社となり、支援の輪が広がっています。
設立趣意書
近年、教育に関する支援策が充実し高等教育を受ける若者が増加しています。しかし、熊本県内の児童養護施設等で育った子どもたちの高等教育機関への進学率は相対的に低い傾向にあります。そこには諸事情があろうかと思われますが、18歳となり経済的自立と進学を同時に迎える際の金銭面での不安は相当大きいものであり、このことが進学意欲の低下につながっているのではないかと推察されます。
ある報道でも取り上げられましたが、実際に熊本県内で高等教育機関へ進学した施設出身者にヒアリングを行ったところ、就学後の奨学金等は充実しているものの、安定した収入が見込めない中で、就学のための新生活スタートに必要な一時金が実際に不足していることが判りました。
また、一般家庭では親の仕事や親との会話を通じて、より具体的に自らの将来への夢や希望が膨らみ、進学へのモチベーションが形成されますが、そのような環境に恵まれにくいというのも一因かと思われます。
そこで私たちは、熊本県内の児童養護施設等において、自らの将来に希望を持ち、学習意欲を高め、高等教育機関を目指す若者が一人でも増えるよう、「くまもと未来奨学会」を設立し、以下の2事業を行うこととします。
- 一.熊本県内の児童養護施設等から熊本県内の高等教育機関に進学する学生が奨学一時金を取得できる奨学金制度を設ける。
- 一.熊本県内の児童養護施設等で成長する児童や学生が自らの将来像や希望の形成につながるよう、本奨学会会員企業での企業見学会やインターンシップ等の事業を行う。
今日、日本全体または熊本においても人材不足が大きな社会課題となっております。このたびの私たちの取り組みが有為な人材の育成につながり、少しでも熊本、ひいては日本の発展につながることを願います。